目次
操体って、どんなことをやるの?という質問をよく受けます。
操体・操体法
は色々な「分析法(診断法)」があります。
操者のスキルによるところもありますが(例えば、第一分析しか知らない人は、第二分析はできません)、大抵は受ける人の状態によって使い分けをしています。
視診・触診・息診・動診・その他
- 視診は文字通り、目視でチェックすること。目でみて「ここはあやしい」というところは、触診してみることもあります。例えば頸椎の配列異常などは、顔をみれば(じろじろ見なくても、一瞬で大丈夫です)わかります
- 触診は、操者が触れてチェックすること。膝の裏を「膝窩(しつか)」「ひかがみ」と言いますが、ここは操体臨床においては、必ずといっていいほどチェックします
- 息診は、これも文字通り呼吸法を用いた診断分析法です。なお、息診は「操体法東京研究会」の三浦寛先生の講習でのみ指導している診断法です。一言で言えば「診断分析法の常識を破壊する」と言っても良いでしょう
- 動診は、文字通り「動かしてみる」ことですが、単に可動域が大きい小さいでみているわけではありません。動きには感覚が伴うので、その感覚を診断分析しています
- その他
足趾の操法®
足趾(そくし)の操法とは、操体の創始者、橋本敬三先生の「温古堂」に出入りしていた、手技療法系の先生がやっていたもの(痛かったそうです)を「きもちいいように」改善したものだそうです。
足の指を「ゆらす」「もむ」「おとす」などの手法がありますが、操体法東京研究会で指導しているのは、これらに「納め(おさめ)」という快感度が高い手法を取り入れ、なおかつ、畠山裕美が25年にわたって研究してきた「趾廻し(ゆびまわし)」を加えたものです。
快感度が非常に高く、深いリラックスを得られます。一方、内臓が活性化する、からだが無意識の動きを発動し、自己修復に向かうという状況も見ることができます。「温泉に入った後のようです」という方もいます。
当研究所では、初めて(初診)の時は、まず足趾の操法から入ることが多いです。
第一分析(楽かつらいかの比較対照)
一番有名なのが「膝を左右に倒す」という動診でしょう。
受け手は仰向け、膝二分の一屈曲位をとり、操者は足元に座ります。受け手の膝を左右に倒し(操者がサポートすることも、本人にやってもらうこともあります)、どちらが倒しやすいか、比較対照し、倒しやすいほうに動かして、2秒から3秒、動きを「たわめて」、瞬間的に脱力させるものです。
D1’(ディーワンダッシュ)
こちらは、私(はたけやま)が「限りなく第二分析に近い進化形の第一分析」と位置づけているものです。
瞬間脱力が難しい(緊張している場合など)ことがあるので、そのデメリットを解消したものです。
また、特定の場所の「狙い撃ち」的な操法も可能です。
第二分析(ひとつひとつの動きに快適感覚をききわける)
これは、畠山の操体の師匠、三浦寛先生が、五年かけて体系づけたものです。橋本敬三先生は、85歳の現役引退後は「楽じゃなくて快」「楽と快は違う」とおっしゃいました。「楽」は「楽な動き」。「快」は「快適感覚」。つまり、「楽」は運動分析で「快」は感覚の分析なのです。
第一分析は「動かしてみて、どちらがやりやすいか」という二者択一ですが、第二分析は、一つ一つの動きに「きもちよさがききわけられるかどうか」を問いかけます。
多くの操体実践者が間違えている(敢えて間違えていると言います)のは、「きもちよさ(快適感覚)」は、比較対照してもわかりにくいということです。
これは、自分でやってみればわかります。寝違えて首を痛めた場合、右に回すのと左に回すのは、どちらがやりやすいか(楽にできるか)というのは比較的わかりやすいですよね。
しかし、首が痛いのに「どちらがきもちいいですか」って聞かれても、首が痛いのに「はあ?」っていう感じですよね。しかし、どこか痛めている、あるいは歪みがある場合は、大抵「きもちよさがききわけられる動き」があるのです。
操者はそれを見据えて「それじゃ、痛い動きはやらなくていいから、首を上に伸ばすような動きはどうですか?きもちのよさがききわけられますか?からだにききわけて、教えてください」と、問いかけます。
「あ”~、この動き、きもちよさ、ききわけられます」
その「きもちよさ」を十分味わってもらいます。
D1’(ディーワン・ダッシュ)
これは、畠山裕美が命名したものです。限りなく第二分析に近い第一分析のことです。ターゲットの筋肉に的を絞って狙い撃ちするので、臨床向けです。
第三分析(渦状波®)カジョウハ(刺激にならない皮膚へのアプローチ)
畠山の操体の師匠、三浦寛が、操体の盲点、つまり動けない患者に対してどうするか、と言うときに、橋本敬三先生の「生体の歪みを正す」の中の「運動系の定義」の中に「皮膚」という言葉を見つけたことにヒントを得た分析法。
なお、第三分析は、皮膚への刺激ではなく、接触です。
面と点がありますが、メインは点。指先であるポイントに触れます(よく、ツボですか、と聞かれますがツボではありません)。
また「意識」ではなく「無意識」の領域にアプローチします。人によって色々な現象を体験することができます。
「快からのメッセージ」。皮膚へのアプローチについて最初に書かれた本です
第四分析(息診・息法)
診断分析法でも出てきましたが、呼吸を用いた診断分析法です。
第五分析
三浦寛先生が、書籍等でオフィシャルにしたら、詳細を記すことに致します。最近のメインです。第一分析から、全ての分析法が活用できます。