三浦寛 著/畠山裕美 編

操体法治療室 東京・三軒茶屋 改訂新版

約40年の臨床と検証を経て。

1987年刊行の『操体法治療室』から約40年。
三浦寛本人から改訂を託された編集者が、本書の改訂にあたりました。

A5判・365ページ

3,300円(税込)

2026年11月14日発売

改訂新版について

1987年に刊行された『操体法治療室――からだの感覚にゆだねる』から約40年。

今回の改訂では、原著の言葉を尊重しつつ、現在の操体に合わせて用語を見直し、編集者注と脚注を加えました。

また、原著に掲載されていた操法を見直し、厳選して収録するとともに、三浦寛が臨床や講習で用いていた言葉の誘導を再現しています。

特に、原著が書かれた当時と現在では、操体における「楽」と「快」の違いが、より明確になっています。本書では、その変遷についても解説しています。

改訂新版の特徴

1.「楽」と「快」の違いを明確に

原著が書かれた当時と現在では、操体における「楽」と「快」の違いがより明確になっています。本書では、第一分析から第二分析への展開と、その考え方の変遷を解説しています。

2.編集者注・脚注の追加

原著の言葉を尊重しつつ、現在の操体との違いや、補足が必要な箇所に編集者注と脚注を加えました。

3.操法の見直し

原著に掲載された操法を見直し、現在の実践に照らして厳選しました。

4.三浦寛の言葉の誘導を再現

三浦寛が臨床や講習で用いていた言葉の誘導を、できる限り再現しました。からだに対する語りかけや、感覚をききわけるための言葉も、本書の特徴の一つです。

あとがき より

編集者あとがきより

私はこの本を読んで、操体臨床家を志しました。なので、私にとっては大変大切な本であります。

(中略)

2025年春頃、三浦先生と打合せをしていて『操体法治療室』『快からのメッセージ』にも、当時は使っていた言葉があるけれど、今は使っていない言い回しなどがある、という話になり、三浦先生から「両方ともオマエが改訂しろよ」という指令を受けました。

私も操体関係の本を書いているのでよくわかるのですが、古い本に書いてあることを「実際に今もやっている」と思われるのは、三浦先生のような「パイオニア」「道開きの人」にとっては、苦痛でしかありません。

それを改訂新版として出し、後に残すのが私の役目だと考えました。

(中略)

さらにもう一つ。

実際に、三浦先生がどのように「言葉の誘導」を用いていたか。それを残しておきたかったということもあります。

(中略)

そういえば、操体法東京研究会の定例講習で、私がやっていたのは、講義中に三浦先生の言葉の誘導を聞いて、その後メモする。いわゆる完コピです。

受講生の中には「自分流にアレンジ」している者もいましたが、何と言うか、三浦先生の「言葉の誘導」は、長年にわたって磨き上げられた「からだに響く言葉」だったのです。

後に先生は「体感語」(からだに直接伝わる、響く言葉)と言っていましたが、まさにそれです。

(中略)

先生の言葉を断片的に聞いて、何となく再現するのではなく、三浦寛になりきって、言葉の誘導を行う。また、言葉のみならず「間」の取り方なども勉強になりました。

これが最大の勉強になり、今でも私の宝物です。

(中略)

先生、やっとできました。

2026年10月

畠山裕美

改訂新版によせて 岡村郁生

1987年、三浦寛先生と今昭宏先生の共著による『操体法治療室』が出版されました。

そして2026年、三浦寛先生の文章を中心に、畠山裕美先生が現代の視点から操体および操体法について丁寧な注釈を加え、豊富な解説やアドバイスを盛り込んだ改訂新版として、本書が新たに刊行されることとなりました。

今昭宏先生と三浦寛先生は、ともに橋本敬三先生が実際に開業し、操体法の指導と臨床を行っていた温古堂で、直接薫陶を受けたお二人です。そのお二人による初期の著作である本書には、今なお色あせることのない操体法の息吹が感じられます。改めて読み返すと、当時の実践と思想に触れ、深い感慨を覚えます。

一方、本書の刊行から長い年月が経過するなかで、三浦先生の操体観もさらに深まり、発展を遂げてきました。「より操体らしい操体」を追求し、快適感覚を中心に据えた実践を深めながら、さらに『新重心理論』へと発展し、新たな地平を切り拓かれました。そうした現在の視点から当時の著作を読み返すと、今日の操体観とは異なる捉え方が見られることも事実です。

だからこそ、このたび『操体法治療室』が改訂新版として刊行される意義は大きいと感じています。初めて本書を手にする方はもちろん、かつて本書を読まれた方にとっても、三浦寛先生が操体をどのように捉え、探究し、発展させてこられたのかを知る貴重な機会となるでしょう。

畠山先生による注釈やアドバイスには、三浦先生のもとで長年学び続けてこられたからこそ伝えられる視点が息づいています。

本書を通じて、当時の記述を現代の視点から読み解くだけでなく、三浦先生の思想がどのように変遷し、深化してきたのかを、より立体的に理解することができるのではないでしょうか。

本書が多くの方々の手に渡り、操体を学ぶ人々に新たな気づきと学びをもたらすことを願っています。そして、三浦寛先生の思想を次の時代へとつなぐ橋渡し役として、本書の改訂に心を注がれた畠山先生に、心から敬意と感謝を申し上げます。

みつよし接骨院・操快堂 院長 
(一社)日本操体指導者協会理事

岡村郁生

改訂新版によせて 山野真二