連動を理解し、身体の使い方を声と言葉で伝える全3回

操体を学ぶことは、施術を学ぶことだけではありません。

操体には、身体を部分に分けず、全身のつながりとして捉える「連動」の考え方があります。

物を拾う、立つ、座る、振り向く、物を持つ、雑巾を絞る。こうした日常動作にも、操体の連動の法則が表れています。

本講座では、般若身経を通して操体の連動を学び、自分の身体で実践するとともに、その身体運用を声と言葉で人に伝える力を身につけます。

施術技術を短期間で習得するための講座ではありません。

心理・福祉・教育・介護などの支援職、フィットネスや運動指導に携わる方が、それぞれの専門性を保ちながら、操体の身体観を現場へ生かすことを目的としています。

般若身経とは

「般若経」ではなく、「般若身経」です。

般若身経とは、操体におけるからだの使い方・動かし方の法則を、般若心経になぞらえて表した名称です。
英語では「SOTAI Body Sutra」と表記します。

一見すると健康体操のように見えますが、決められた順番や形を覚えることが目的ではありません。

手や足、目線などを動きのきっかけとして、一つの動きが全身へどのように伝わるのかを、自分の身体を通して学ぶ体系です。

橋本敬三医師が示した身体運動の法則を土台に、三浦寛先生が「連動」の理論から整理し、発展させてきました。

般若身経では、たとえば次のような身体の法則を学びます。

  • 手は小指側から使う
  • 足は母趾球から使う
  • 目線が動きを導く
  • 一つの動きが全身へ波及する
  • 身体は部分だけで動いているのではない
  • 連動と逆連動
  • 重心の移動と身体の使い方

これらは、立つ、座る、歩く、物を拾う、振り向く、物を持つ、ぞうきんを絞るといった日常動作にも応用できます。また、運動指導、トレーニング、身体表現などにも通じる、身体の使い方の基本となります。

本講座では、般若身経の形を覚えるだけではなく、その背景にある連動のしくみを理解し、自分自身が実践できること、さらに声と言葉を使って人へ伝えられることを目指します。

対象となる方

  • 心理職、カウンセラーなど、心の支援に携わる方
  • 福祉、介護、看護などの対人援助職
  • 教員、保育、子どもの支援に携わる方
  • フィットネスインストラクター
  • ヨガ、ピラティスなどの運動指導者
  • パーソナルトレーナー
  • スポーツプログラマー、健康運動指導士
  • 操体の身体運用を自分の仕事へ生かしたい方
  • 将来、操体臨床を学ぶことを検討している方
  • 自分自身のために、般若身経と日常動作を学びたい方

現在、施術や運動指導を仕事にしている必要はありません。

「施術+ベーシック講習」の受講を原則とします。同時受講も可能です。過去に操体または般若身経を学んだ経験のある方は、ご相談ください。

施術ではなく、「指導」を学ぶコースです

身体について学びたいと考えたとき、多くの方が最初に「施術」を思い浮かべます。

しかし、個別の身体を視診・触診し、動診から操法を組み立てる操体臨床を身につけるには、継続した学習と臨床経験が必要です。

本講座では、短期間で施術ができるようになることを目的としません。

学ぶのは、

  • 操体の連動を理解する
  • 自分の身体で般若身経を表現する
  • 日常動作へ連動を応用する
  • 動きの始点と全身のつながりを観察する
  • 見本を示しながら、声と言葉で伝える
  • 相手の身体に動きを押しつけず、個人差に配慮する

という、施術とは異なる指導の専門性です。

心理職や支援職の方は、ことばと「待つこと」を生かして、身体感覚への橋渡しができます。

運動指導者は、人前で動きを示し、複数の参加者へ伝える力を生かしながら、形を押しつけず、本人の感覚を尊重する指導を学べます。

講座内容

第1回 操体の連動を理解する

  • 操体では身体をどのように捉えるのか
  • 部分ではなく、全身のつながりをみる
  • 手は小指側、足は母趾球から
  • 目線が動きを導く
  • 上肢・体幹・下肢のつながり
  • 連動と逆連動
  • 一般的な運動連鎖と、操体における連動
  • 般若身経の基本

第2回 般若身経と日常動作

  • 般若身経の実践
  • 動きの始点から全身へのつながり
  • 立つ、座る
  • 物を拾う
  • 振り向く
  • 物を持つ
  • 雑巾を絞る
  • 日常動作を連動から見直す
  • 動きの形ではなく、身体のつながりを観察する

第3回 連動を声と言葉で伝える

  • 見本の示し方
  • 声の出し方
  • 動きの始点を明確に伝える
  • 目線と全身のつながりを伝える
  • 言葉をかけるタイミングと間
  • 大きく動くことを目的にしない
  • 「気持ちいいですか」と尋ね続ける誘導にしない
  • 動きを押しつけず、個人差に配慮する
  • 一人ずつ声を出して行う指導実習
  • 各自の専門分野を想定した指導実習
  • 指導できる範囲と、操体臨床との境界

講座内容は、受講者の職種、経験、目的に応じて調整します。

この講座で目指すこと

全3回を通して、次のことができるようになることを目指します。

  1. 操体における連動を説明できる
  2. 般若身経を、自分の身体で正確に表現できる
  3. 日常動作を、連動の法則から説明できる
  4. 見本を示しながら、声と言葉で指導できる
  5. 相手の身体や感覚を尊重した指導ができる
  6. 指導と臨床の違いを理解している

最終回には、実際に声を出して般若身経を指導する実習を行います。

臨床を学びたい方へ

本講座では、視診・触診、動診、抵抗の与え方、個別の操法など、操体の施術技術は扱いません。

個別の身体をみて、操体臨床を行うことを目指す方には、別途「操体ミドル講習」を設けています。

操体ミドル講習では、D1′・D1″を中心に、橋本敬三先生から三浦寛先生へ伝わった視診・触診法、ひかがみの触診、動診から操法へ至る臨床過程を学びます。

本講座を修了した後、希望に応じてミドル講習へ進むこともできます。

回数と受講料

全3回・計6時間

  • 1回2時間
  • 受講料:5万円

お支払いは、銀行振込またはクレジットカード決済をご利用いただけます。

受講形式

個人または少人数で行います。

日程が合えば、1日に複数回受講することも可能です。遠方からお越しになる方など、ご希望の場合はご相談ください。

少人数で受講する場合は、指導者役と参加者役の両方を経験し、互いの指導を観察することで、実習の機会を増やすことができます。

開講日程は、ご相談のうえ決定します。

場所

TEI-ZAN施術室
東京都江戸川区西葛西

詳細は、お申し込み後にお知らせします。

修了認定について

全課程を受講し、最終回の指導実習を修了した方には、修了証を発行します。

所定の指導内容を身につけた方は、

般若身経インストラクター
SOTAI Body Sutra Instructor

として認定します。

認定を受ける方には、一般社団法人日本操体指導者協会へ入会していただきます。

講座を受けて終わるのではなく、協会を通して継続的に学び、操体の考え方と般若身経を正確に伝えていくことを目的としています。

本講座の修了認定は、操体の施術者または操体臨床家としての認定ではありません。認定された範囲は、般若身経、操体の連動、日常における基本的な身体運用の指導です。

お申し込み・ご相談

受講経験、現在のお仕事、般若身経を生かしたい場面などについて、まずはお気軽にお問い合わせください。

参考図書

本講座で扱う「連動」をより深く理解するための参考図書として、同じシリーズの次の2冊をご紹介します。

三浦寛著『操体法入門――からだの連動のしくみがわかる 手関節からのアプローチ』(医道の日本社)

本書では、手関節の動きが全身へどのように連動するのかを、操体の身体観から詳しく解説しています。

三浦寛著『操体法入門――からだの連動のしくみがわかる 足関節からのアプローチ』(医道の日本社)

本書では、足関節の動きが全身へどのように連動するのかを、操体の身体観から詳しく解説しています。

事前の購入や読書は必要ありません。講座の受講に必要な内容は、講座内で説明します。
すでに本書をお持ちの方は、復習や理解を深めるためにご活用ください。